レスタウロ(絵画修復家)とは
2014/6/23
レスタウロ(絵画修復家)という職業は日本でもこれらの仕事をしている方々がいますが、残念ながらその職業についてはハイライトがあたっていないのです。
イタリアではこの職業はとても大切で「絵のお医者さん」と言われるほどです。
Veronaで生活していた時に友人に連れられてこの仕事をしていた若者(Federico)を尋ねてその工房に行ったことがあります。
朝の10:00に夕食の誘いに行って午後4:00に迎えにくることにしました。Gianniと一緒に散歩して、軽めのランチをとり時間通りに「Federico君」のところに戻ってきてびっくりしたのですが、無知な私には仕事がどの程度進んだのか全く分からなかったからです。
そこで今日の作業(仕事)について聞いたところ、「この部分10センチ四方」の部分であることを伝えてくれました。 とっさに「これだけ・・・!」と発言しそうになりましたが、私も中学生から木版画を勉強し、その「バレンの制作」をしたことを思い出して、そのことは口にはしませんでしたが、途方もなく時間と労力のかかる仕事であることを知りました。
そのあと夕食をしながら、FEDERICOに聞いてみると「今日は割合と作業が進んだ方なんだ、同じ赤でもどの絵具を使うかで資料を調べたり、迷ったりしていると1センチ四方も作業が出来ないこともあるんだ・・・・ということを教えてくれました。
制作された時代によって、その作家の考え方によって同じ赤でも違ってくることを勉強していなければこの仕事「レスタウロ」にはなれないのです。
同時にこの職業の地位が高いこともイタリアという国が真の文化国家であることの証明かもしれません。