ユネスコに登録されている「イタリアの世界遺産」05
2015/2/16
「テォヴォリのヴィッラ・エステ(エステ家別荘)」
ティヴォリは、ローマの東約30kmにある丘陵にある町で、古代ローマ時代から上流階級の保養地だった。
1550年、この地に隠遁した枢機卿イッポリート・デステが、元ベネディクト会修道院の敷地別荘を建て広大な庭園を造った。
設計は、ピルロ・リゴーリオ。1565年ごろから本格的な建築物の工事が始まったが、1572年にイッポーリトが死去した時点でもまだ未完成だった。
建物内はマニエリズム風の官能的な優雅な空間で、広大な庭には、ギリシャ・ローマ神話をモチーフにした優美やものから、当時の技術の粋が集められたオルガンの噴水など500以上の噴水があり、“イタリア一美しい噴水庭園”として知られている。16世紀のイタリアを代表する華麗な庭園芸術であるだけでなく、その後のヨーロッパ庭園設計にも大きく影響を与えた。
1605年に、レイアウトの変更など大規模な改修が行われ、1641年以降はモデナの公爵家のもとので続けられた。
18世紀に入ると別荘邸宅は放棄され、荒れ放題となったが、1920年から1930年の間、修復運動が行われるようになった。1944年の爆撃でさらなる破損を被ったが、2001年に世界遺産に登録された。